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サービス=接客だけに頼らず、システムを使って効率よく効果を出す

売れるサービス5つのポイント
売れるサービスシステムを作る

●人力車で移動しようとする経営者
移動手段をビジネスにしようと考えたときに、現代で人力車ビジネスを行う人は少ない。
ニーズが全くないわけではなく、奈良や嵐山、上野、横浜中華街などの観光地では人力車ビジネスは小規模で成り立っている。

しかし、人口の多い都会ではタクシーという便利な乗り物が移動手段として使われる。
なぜなら、タクシーの方が人力車に比べて早いし、安いし、スタッフにとっては雨露や寒さ、暑さをしのぐことができるからだ。

誰もそこで働くスタッフに「人力車の方が自動で動く車よりも甘えがない」「努力と根性と人力で頑張ってこそ商売だ」なんてことは言わない。

なのに、サービス業の世界ではおかしなことに「人力」の質と量を増やすことがサービスを良くすることだという神話がまことしやかに語りつづけられている。



●「サービス=接客」だという勘違い
私はよくセミナーなどで、サービスのことを良く考えてもらうために「これまでにこんな良いサービス体験しました」ということを横の人と話し合ってみてください、という感じでグループディスカッションを行う。
発表してもらうと決まって、良いサービス体験の6〜8割が接客体験になる。

これは、接客がサービスでとても重要であるということの証明でもあるが、逆にお客には接客がイコールサービスだと映っていることに他ならない。

たとえば、いいレストランを見つけたとする。
人に「あそこのレストランは最高だ!」と言って紹介するときには当然のように接客の良さが話の6〜8割を占める。

しかし、実際にはその店のトータルの感覚をその人はいいと思っているのであって、それは料理の味、盛り付け、内装、照明の明るさ、BGM、テーブルの形、トイレの広さ、など無意識の内にトータルで判断している。

いくら接客が良くたって、普段お客が気がつかないほかの要因がボロボロでは次もまた足を運んではくれない。



●経営者にもスタッフにもサービスは接客(人力)だという信仰がある
お客からサービスが悪い、というクレームをもらったときに前向きな経営者は「これはいかん。何とかしよう」と考える。
そのクレームを「できること」と「やらないこと」に当てはめて「できること」と判断した場合はすぐにこのクレームには対応しなくてはいけない。

そしてその対応は多くの場合「誠心誠意を持った人力の方法」になってしまう。

人力で物事を解決しようとすると、多くの場合固定費が増える。
既存のスタッフで対応しようとすれば手間がかかる上に残業をお願いすることになり、新人を雇えば求人広告費、教育研修費、人件費などが増える。


お金を出してサービスを良くするという考え方はどんなバカな経営者でも安易にできる。
安易にできる方法で必ずしもサービスが良くなるとは限らない。
お金で解決する方法よりも確実に良くできるのは、知恵で解決する方法だ。
お金を出すのではなく、知恵を出す。
人力に頼るのではなく、効果的で効率的なシステムに頼る。



●システムの重要なポイントは効率と効果、そしてそれを運営する人による
カンタンに考えるために実例を見てみよう。
90年代半ばまでのカフェといえば、ハイソなところから地元のベタなところまで、必ずスタッフがお席に案内し、水とおしぼりを持ってきて、オーダーを取った。

コーヒーをテーブルまで運び、気が少し利いていれば「ごゆっくりどうぞ」などと一声かけてくれた。
もうちょっとハイソなところであれば、紅茶の葉やコーヒーの豆、ケーキなどの細かい説明までしてくれるところもある。

こういった店のオーナーから見れば、席の確保はセルフで禁煙者しか受け入れず、先払いで、機械がコーヒーを入れ、食べ物のメニューを置いていないスターバックスが儲かるはずがない。
なぜなら人力を削減してお客が喜ぶはずがないと考えるからだ。
残念ながらシアトル系コーヒーショップは日本でも成功している。


実際にスターバックスの内装、音楽、テーブルやソファの配置など、日常にあって少し優雅な気分に浸ることのできる環境は非常によく考えられている。


システムは手間と人力に頼らなくても同じかそれ以上の効果を望めるもので、多くの場合は一度構築するとあとは勝手に回りつづけてくれる。

たとえば予約が必要なサービス業を行っている場合、これまで電話口でその都度最高の接客を目指して行っていた対応を、オンライン上で行うことができるようにするだけでお客もサービス提供者も便利になる。

こういうと、真心のこもった接客をコンピューターで代用できるはずがないと考える安直な経営者がいる。

しかし、お客の立場からしてみると電話をかけて色々めんどくさいこと、たとえばたらいまわしとか、個人情報を聞かれる不安などを考えると、自分で判断できるオンラインフォームは都合のいい場合が多い。
接客することがお客に絶対必要と考えていては、こういう発想はできない。

それでも電話の方が優れていると考えるサービス提供者は下の効果を考えてみて欲しい。
■■あるホテルの予約システム場合■■
  • お客はオンラインフォームで安心して予約申し込みができる
    ひととおり記入して「送信ボタン」を押す
        ↓
  • 予約フォームを送信したらすぐに自動返信で確認のメールが送られる
        ↓
  • 予約日3日前に自動的に「お待ちしております」のメールが送られる
        ↓
  • お客が自宅に戻る頃に自動的に「ありがとうございました」のメールが送られる
        ↓
  • お客の誕生日になると自動的にメールが送られる
    さらに、
  • 顧客データベースに自動的に登録され、次回利用されるときには再度お客情報を書いていただく必要はない
  • よって、次回から誰が対応しても「○○様お帰りなさいませ」などと言うことが可能になる
電話で予約を受けた場合に、3日前に電話して、帰宅後に手紙を送って、誕生日に手紙を送っていたとしたらどうだろう。
お客の気分が仮にいいとしても、スタッフのストレスは大変なものが出てくるに違いない。
ストレスを抱えたスタッフに接客してほしいお客がいるわけがない。


いちど、こういうシステム(何もPCじゃなくてもいい)ができてしまえば、スタッフは他の「人力でしかできないこと」に集中することができる。
ただ、気をつけたいのはどのような素晴らしいシステムも、それを運営する人がいいかげんでは全てがダメになってしまうということだ。
肝心要なところは安心できる人に任せようにしたい。それさえできるようになれば効率がグンとよくなり、効果はこれまでと同じかやり方によってはもっといいサービスを提供できるようになる。


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