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お客のクレームや非難の声よりも良い評価の声を増やすことに集中する

売れるサービス基礎の基礎 これを知るとサービスが変わる
「できること」と「やらないこと」を決める

●できることを決める
「あなたの提供するサービスはなんですか?」

と聞かれたときに、たとえばカフェを経営していると

「こだわりのコーヒーを出すことです」
などと答える。

しかし、
「なら、ジャワの豆の中でも最もマイルドな西部で取れたものの中で、
 さらに最も新しいものを、エスプレッソにして抽出し香りと味がしっかりしているけども、私は苦いのが苦手なのでそのままでも飲めるようにしてくれ。

ただし、牛乳は嫌いだし、砂糖は体に悪いので入れないでくれ。
あんたはこだわりのコーヒー屋なんだからそのくらいのことはやってくれ。希望に合わなければ金は払わない」

と言われたら何と答えるだろう?

こういう場合大体3つの行動パターンがある。

  • イヤな顔をして「なんてわがままなお客だ」と心の中で思い、何とかその状況をごまかして、早くイヤな思いから逃れることだけに集中する
     
  • とにかく話を聞いてあげてできる限り対応してあげようと心配りをし、自分がやれることを一生懸命やってあげてなるべく期待に応えるように誠心誠意できることをやってあげる
     
  • できることとできないことを明確に伝え、できることの中で最も期待に近いものを提案し、それでも接点が見出せなければ「できないこと」としてサービス提供を断る

おそらくいいサービスを提供しているサービス提供者は2番目の方法に力を入れていると思うし、それ以外の人は1番目のサービスをやってしまっていると思う。



●冷たい逃避行
  • イヤな顔をして「なんてわがままなお客だ」と心の中で思い、何とかその状況をごまかして、早くイヤな思いから逃れることだけに集中する
この状態を私は「冷たい逃避行サービス」の状態と言っている。
サービスにプライドがなくて、これまでそのサービスを売ってきたから今もそのサービスをやっているんだ、というような情熱のないサービス提供者に多い。

大体の場合こういった空気が社内に蔓延していて、どのスタッフも低レベルで同じような対応をするようになっている。売上が下がるやり方をやっているので、そのうちにクレームやトラブルの重圧に耐え切れなくなる。何とかお客をつなぎとめるためにあわててトラブルを起こさない方法に力を入れはじめる。

この方法が状況をごまかして早くイヤな思いから逃れる方法だ。
全てが悪循環の上に成り立っていて、サービスを期待するのには根本的に無理がある。



●お人よし親切
  • とにかく話を聞いてあげてできる限り対応してあげようと心配りをし、自分がやれることを一生懸命やってあげてなるべく期待に応えるように誠心誠意できることをやってあげる
この状態は、「お人よし親切サービス」と呼んでいる。
世の中のなかなかうまくいっているサービス提供者がこれを聞くと怒ると思う。
一人一人にきめ細かいサービスを望んでいて、職人的にお客にいかにいい物を提供して満足してもらうために何ができるかを常に考えている。

経営者が職人的な多くの場合、そういう態度を示している自分や自分の会社にプライドがあるものの、無作為なサービス提供(実際にも、心理的にも)が従業員のやる気を削いでいる場合が多い。

スタッフが職人的である場合は、経営方針よりも赤字が出てもお客に喜んでもらうことを優先するために、「売れないサービス」「ボランティアサービス」をせっせと提供している特徴がある。

単価が安い商品を扱っている場合は特に、お客が増長し、わがままなオーダーが増える傾向にある。

わがままなオーダーが増えると、それに対応するスタッフのやる気がグンと下がり、笑顔が消える。スタッフから笑顔が消えたらお客は「以前よりもサービスが落ちた」という評判なり、クレームを発信し、経営者はますますお客の期待に応えるために、もっと何ができるかを宣言したりする。

目先の良さに応えるため、長い目で見れば自分のクビを絞めることをせっせとやっていることが多い。

やればやるほど収益が下がり、いいサービスだけど徐々に「売れないサービス」になっていく傾向がある。



●売れるサービス
  • できることとできないことを明確に伝え、できることの中で最も期待に近いものを提案し、それでも接点が見出せなければ「できないこと」としてサービス提供を断る
この状態が一言で言えば「売れるサービス」の状態だ。「お人よし親切サービス」でうまくいっている事業者には疑問なところも多いと思う。

多くの経営者に恐怖を与えているのは「お客様は神様だ」という風潮のある世の中で、「あの店は神様じゃない」という評判がお客の心理に生まれることで、その為に一生懸命「無作為に」期待に応えようとする。

しかし、期待に応えようとしているお客が一体「誰」なのかよく考えてみて欲しい。
ほとんどの場合それはクレームを発信する顧客で、しかも提供するサービスの価値を良く理解していないか、理解したくもなく、経営者が提供したいサービスとは全く別のことを希望する場合が多い。

売れるサービスを提供している経営者はこういうクレームなり、希望をきっぱりとお断りすることで「本当に自社のサービスを必要とし、理解してくれ、行為的なお客」にサービスを提供する時間を割くことができる。
売れないサービス提供者はこれと全く逆のことをしている。

自社に好意的でサービスに理解を示してくれて他のお客よりもより多くのお金を支払うお客は、自分達よりも好意的でなくサービスを理解せず、自分達よりもお金を払わないお客に時間を割くサービス提供者に好意を抱くはずがない。
店や、経営方針に失望してお客離れを引き起こすことは間違いない。


多くの経営者はクレームや非難の声を減らすことには敏感だ。いや、早く嫌な思いから逃れることに過敏だ。
しかし、売れるサービスを行っている経営者は「良質な特別客を」増やし、いい声を増やすことに集中している。

本当に考えられた素晴らしいサービスなら、あとは自信を持ってそのサービスを必要としている人だけに精一杯提供することに集中した方がいい。
結局はそれがお客から正当な評価を得、スタッフが笑顔になり、売上も上がるサービスになるからだ。


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